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当院の小宮医師が近畿産科婦人科学会学術集会で最優秀演題賞を受賞しました

2021.6.25
お知らせ
医局より

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当院の小宮医師が、2021年6月19日~20日に神戸国際会議場で開催されました第144回近畿産科婦人科学会学術集会において「GnRHアンタゴニストとしてRelugolixを用いた採卵周期の最終成熟誘導法の検討」演題にて最優秀演題賞に選ばれました。

これは、2019年から国内で取り扱い開始となったレルゴリクス(商品名;レルミナ)という経口GnRH受容体アンタゴニスト製剤(以下、アンタゴニスト)が調節卵胞刺激周期の採卵成績にどのような影響を与えるのかを検討した研究です。

採卵周期では、自己注射は皆様の大きな負担であり、できる限り負担の少ない採卵周期を達成することは我々の至上の命題です。
排卵を抑制するために、卵胞がある程度発育してくると、アンタゴニストが開始されます。これまで、アンタゴニストには注射製剤しかありませんでしたが、内服のアンタゴニストであるレルゴリクス(レルミナ)は皆様の負担低減のための良い選択肢となります。しかしながら、新規薬剤であるため、レルゴリクス(レルミナ)が採卵結果にどのような影響を与えるのかは分かっていませんでした。

検討の結果、レルゴリクス(レルミナ)を用いた卵胞刺激は、最終成熟法(採卵の36時間前頃に行うHCG注射あるいはGnRHa点鼻)の影響を受けることが明らかとなりました。まとめると、「アンタゴニスト:レルミナ(内服)+最終成熟:スプレキュア(点鼻)→採卵数が極端に低下する(レルミナ+HCG注射は採卵数への影響を認めない)」ことが明らかになりました。

卵胞刺激周期中にOHSS(卵胞過剰刺激症候群)となると、重症化を回避するために最終成熟法にGnRHa(スプレキュア点鼻)を選択せざるを得ない場合があります。「なるべくたくさんの胚を獲得したい」「可能な限り注射の負担を減らしたい」「OHSSの重症化を回避したい」。どれも大切な考えですが、当院では安全を重視するためにOHSSとなった場合の最終成熟法は、基本的にGnRHa(スプレキュア点鼻)を選択しています。そのため、患者様の状態を総合的に判断し、レルゴリクス(レルミナ)の使用可否を判断させていただいておりますことをご理解いただきたく存じます。

IVF JAPANグループの職員は日々研鑽を重ねており、今回はこのような賞を受賞することが出来ました。

今後も患者様へより良い医療を届けられるよう、引き続き努めてまいります。