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コロナワクチン接種を考慮する妊婦さんならびに妊娠を希望される患者様へ

2021.2.4
お知らせ
院長より

ホームページをご覧のみなさまへ

いよいよコロナワクチンの接種が始まりそうです。皆様には不安に思われている方も多いと思います。
当院では日本産科婦人科学会の提言に基づき、お話をさせていただいております。
下記の資料を参考にして下さい。原文もご覧いただけます。

2021年2月4日
HORACグランフロント大阪クリニック
院長 森本義晴

資料(分かり易いように改変加筆)

コロナワクチン接種を考慮する妊婦さんならびに妊娠を希望される患者様へ

新型コロナウイルスのパンデミックが昨年(2020年)に始まり、およそ半年という極めて短い時間にワクチン開発が⾏われたため、まだ⼗分な有効性や安全性に関する臨床データの集積は得られていません。

副反応(副作用)として、アナフィラキシー(命にかかわる重症の急性アレルギー反応)を含むアレルギーの頻度は、⽶国で既に投与されたファイザー製ワクチンでは0.0011%とされています。治験(医薬品の臨床試験)の段階では注射部位の強い疼痛が数⽇続くことや発⾚の報告はありますが、致命的な(命にかかわる)副反応は報告されていません。

残念ながら、妊婦さんに対しては⼗分な知⾒がなく、各国で⾒解が分かれています。⽶国のACIP(ワクチン接種に関する諮問委員会)は、妊婦を除外すべきではないとし、イスラエルでは積極的な接種対象としています。⼀⽅で、英国やカナダでは⼗分な臨床データがないことから、妊婦中の COVID-19ワクチン接種は推奨していません。

COVID-19 mRNAワクチンの動物の⽣殖に関する研究はまだ完了していません。また、中・⻑期的な副反応については、現時点では不明です。

⽇本産婦⼈科感染症学会および⽇本産科婦⼈科学会として、現状において患者様に対して以下の提⾔をしております。

1 COVID-19ワクチンは、現時点で妊婦に対する安全性、特に中・⻑期的な副反応、胎児および出⽣児への安全性は確⽴されていません。

2 流⾏拡⼤の現状を踏まえて、妊婦をワクチン接種対象から除外することはいたしません。ワクチン接種を受ける場合には、⻑期的な副反応は不明で、胎児および出⽣児への安全性は確⽴していないことの説明を受け、同意した上で接種を受けて下さい。接種後の30分間は院内での経過観察が必要です。何故なら、アナフィラキシー反応は接種後30分以内に起こることがほとんどですから。

3 器官形成期(おなかの赤ちゃんの中枢神経をはじめ、心臓や手足、目や鼻など主要な器官の形成される時期:妊娠12週まで)は、ワクチン投与を避けるようにしています。妊婦の方は⺟児管理のできる産婦⼈科施設等で接種を受け、なるべく接種前後にエコー検査などで胎児⼼拍を確認するようにしてください。

4 妊婦の方でも、感染リスクが⾼い医療従事者、重症化リスクの可能性の高い肥満や糖尿病など基礎疾患を合併している⽅は、ワクチン接種を考慮してください。

5 妊婦のパートナーは、家庭内での感染を防ぐため、ワクチン接種を考慮してください。

6 妊娠を希望される⼥性は、可能であれば妊娠する前にワクチン接種を受けるようにしてください。(ウイルス自体を用いた⽣ワクチンではありませんから、接種後⻑期の避妊は必要ありません。)

患者さん⼀⼈⼀⼈の背景が違いますので、まずは産婦⼈科の主治医と⼗分にご相談ください。

⽇本産婦⼈科感染症学会
⽇本産科婦⼈科学会
令和 3 年 1 ⽉ 27 ⽇