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受精卵取り違えに関する取組

患者様の取り違えを起こさないために

同姓同名や類似名の患者様がいらっしゃるため、人工授精や体外受精などの患者様の入室前や入室後、精子の受け取り時、注射の施行時には、必ず フルネーム+生年月日 でご本人確認を実施しています。 極度に緊張され、他人の名前を言っても「はい」と答えられてしまう可能性があるため、患者様ご本人にフルネーム+生年月日をおっしゃっていただき確認を実施しています。
さらに体外受精の胚移植直前には「○○様~個胚移植します。」と声に出し、胚移植に関わる全員(患者様、医師、看護師、胚培養士)で最終確認を行い、移植を実施するようにしています。

ISO9001の認証を取得

HORACグランフロント大阪クリニックは2017年6月にISO9001の認証を取得しています。ISO9001とは品質管理における世界共通のルールで、品質管理に焦点をあてた企業や病院の経営に関するルールの一つです。患者様に、より良いサービスをご提供するためのシステムを管理することを目的としていますが、患者様からお預かりした受精卵の取り違え等の事故が発生しないようなシステムが構築されているかも、外部の審査員によって重点的にチェックをされます。さらに定期的に内部監査(クリニックのスタッフが自ら行う監査)を行い、業務が正しく行われているか、問題発生の原因となりうるシステムの不具合がないかを監査します。また、姉妹クリニックであるIVFなんばクリニック、IVF大阪クリニックとの相互内部監査も実施しています。

JISARTの認定を取得

JISART(日本生殖補助医療標準化機関)は、日本の不妊治療における治療の質の向上と、その水準維持を達成すべく結成された生殖補助医療専門施設が加盟している団体で、患者様の満足度を向上させることを主な目的としています。ISO9001と同様に、事故やトラブルが発生したときの対応方法や安全管理、卵や精子を扱うときのダブルチェックの方法、停電時のバックアップ体制などの危機管理対策がなされているかを厳しく審査されます。

検体の取り違えを起こさないために

採卵時の卵胞液の受け渡し

卵胞液の受け渡しは、バーコードで管理されたシールをスピッツに1本毎に貼ることで、識別を確実にしています。看護師が、患者様のお名前を1本1本確認しながら、培養室へのパスボックスに卵胞液を入れます。採卵終了時には、次の患者様の卵胞液と混ざってしまうことを避けるため、最後の卵胞液であることを告げ、パスウインドウを完全に閉めています。検体が残っていないことを確認して次の患者様の採卵を開始するため、他の患者様の卵胞液と入れ違いになる危険性はありません。

精液の受渡し、調整時

精液採取時の旦那様の確認と検体の容器の記載

採精室にご案内の際、奥様の名前・生年月日を言って頂きます。容器には名前が記載しているバーコードシールを貼っています。採精室にご案内する際には、ご主人様にお持ち頂いているバーコードシールと容器のバーコードシールが同一の患者様であるかを確認しております。

採卵と胚移植時の確認

採卵や胚移植の際には、名前と生年月日の確認に加え、奥様につけて頂いている照合用のリストバンドと、胚培養用のシャーレなどのバーコードが同一の患者様の胚であることを確認しています。

1クリーンベンチ(作業台)1検体制

精子の調整に必要な遠心機、インキュベーター(保温器)を
1ユニットとして、調整を行っていきます。調整に必要なスピッツなどは全てバーコードシールを貼っており、バーコードリーダーで確認し、胚培養士でダブルチェックも行って、同一の患者様のものであることを確認しております。

HORACでは、タイムラプス内蔵のドライインキュベーターとドライインキュベーターを設置しております。 ご希望の患者様には胚の成長の様子を動画処理したデータをお渡しすることも可能です。

最後に

私たち生殖医療に従事するスタッフは、患者様の大切な胚をお預かりするという重大な責任を担っていることをしっかり自覚して、日々の培養室業務を遂行しています。